Brooks(ブルックス)の新作「Ghost 15(ゴースト15)」の性能は?どんなシーンで使うことができるんだろう?
このようなお悩みをお持ちの方へ。
今回はBrooks(ブルックス)の新作ランニングシューズ「Ghost15(ゴースト15)」をレビュー!
重さやサイズ感だけでなく、実際に計測したデータをもとに
- 性能の特徴(クッション性、安定性、反発性 etc…)
- 最適な使用シーン(ジョグ、ペース走、スプリント etc…)
- 他メーカーの類似モデルとの比較
- 練習効率の上がる使い分け
※計測したデータは運営者のフォームや競技レベルに依存するため、人によっては記載の内容と大きく離れた感覚を得る場合があります。あらかじめご了承ください。
などなど気になる情報を余すことなくお伝えしていきます。
本題に入る前に「Ghost15(ゴースト15)」の特徴を簡単にまとめるとこんな感じ↓
もくじを用意しているので、より詳しく知りたい方は上から見るも良し、気になるトピックへ移動するも良しです。
それでははじめていきましょう!
陸上競技歴12年
- 400mタイム→48秒
- 800mタイム→1分52秒
- 1500mタイム→3分56秒
- フルマラソンタイム→2時間38分
外資系スポーツメーカーランニング担当
- 接客販売で年間7000点のランニング用品を販売
- 年間10回以上のランニングイベント開催
- 年間300モデル以上のランニング用品を選定
専門は中距離ですが、社会人になりマラソンやトレイルランニングにも挑戦中です!
「Ghost15(ゴースト15)」の5つの性能
まずは「Ghost15(ゴースト15)」の性能から。表にまとめてみるとこんな感じです↓
軽量性 | |
クッション性 | |
反発性 | |
安定性 | |
ガイド性 | |
耐久性 |
以下では実際に計測したデータをもとに1つ1つの性能を深ぼっていきます。
重さ272g(26.5cm)で軽量性は少し低め
「Ghost15(ゴースト15)」の重さは26.5cmで272gです。
シューズの重さ範囲(26.5g基準) | 150~350g |
平均の重さ(113モデル) | 250g |
LSD、遅めのジョグ | 280g~350g |
デイリートレーナー (ジョグ、遅めのペース走) | 235g~280g |
テンポアップ (速めのペース走、インターバル走) | 200g~235g |
レーシング (レペティション、レース) | 150g~200g |
ジョグや遅めのペース走などのシーンでよく使用されるデイリートレーナーとしての位置付けですね。
この後紹介しますが、性能面で見てもデイリートレーナーの使用シーンから外れることはなく非常に扱いやすいモデルです。
前作の「Ghost14(ゴースト14)」は270g(26.5cm)だったので、重さはほぼ変わっていません。若干重くなったぐらいですね。
他メーカーで「Ghost15(ゴースト15)」に近い重さのモデルだと
- ミズノ「Wave Rider 26(ウエーブライダー26)」→271g(26.5cm)
- オン「Cloud Swift(クラウドスウィフト)」→276g(26.5cm)
- ナイキ「ZOOM X INVINCIBLE RUN Flyknit 2(ズームXインヴィンシブルランフライニット2)」→275g(26.5cm)
があげられます。
よって、「Ghost15(ゴースト15)」の軽量性を評価するなら→
柔らかい接地感でクッション性は高め
「Ghost15(ゴースト15)」は弾力が程よくある柔らかい接地感が特徴的。
ミッドソールとアウトソールがどちらも柔らかいことからこの接地感が生まれているのでしょう。
実際、硬度計による計測データを星評価で現すと
- ミッドソールの柔らかさ→
- アウトソールの柔らかさ→
といった感じ。
ミッドソールの柔らかさは他のデイリートレーナーと比べ大きく変わりませんでしたが、アウトソールが他のデイリートレーナーと比べてかなり柔らかめです。接地感の柔らかさはこのアウトソールによる影響も大きいでしょう。
また、「Ghost15(ゴースト15)」のクッション性は高く、裸足での衝撃と比べて13分の1というデータが計測できました。
これはデイリートレーナーの中で平均に近い数値だったので、非常に使いやすいことがわかります。
よって、「Ghost15(ゴースト15)」のクッション性を評価するなら→
滑らかな体重移動ができる適度な反発性
「Ghost15(ゴースト15)」の反発性は意外と高め。
先ほど弾力が程よくある柔らかい接地感が特徴的とお伝えしましたが、この弾力が反発を生み出して蹴り出しをサポートしてくれます。
実際計測したデータでも、ナイキの「AIR ZOOM PEGASUS 39 (エアズームペガサス39)」やミズノの「WAVE RIDER 26(ウエーブライダー26)」、ホカオネオネの「CLIFTON 8(クリフトン8)」と比べて若干ですが反発性に関する数値が高くなっています。
実際に履いて走ってみたところ、接地すると若干沈みこんでから弾力を使って反発を得るような感覚を得ることができました。
ただ前足部が曲がりやすいことから、反発によって助力が得られるというよりかは、適度な快適さで弾みながら走ることができるといった感じです。
よって、「Ghost15(ゴースト15)」の反発性を評価するなら→
左右への衝撃を最小限にとどめてくれる安定性
次は「Ghost15(ゴースト15)」の安定性について。
ソールの柔らかさとアッパーの柔らかさからブレが生じやすく安定性が低いのでは?と思う方もいるかもしれませんが、全然そんなことはありません。
むしろ「Ghost15(ゴースト15)」の安定性はかなり高いです。
計測したデータでは、他のデイリートレーナーと比べても左右への衝撃が非常に低くばらつきも少ないという結果になりました。
実際に走ってもその安定性は実感できるものなので、履いていて安心感があります。
ソールに力を加えると割とねじれやすかったのでこの結果は意外でした。
この安定性を生み出している要因で考えられるのは主に以下の3つ。
- フィット性の高さ
- 程よく抑えられた反発性
- 12mmのドロップ
フィット性については後述するサイズ感についてで詳しく紹介しますが、「Ghost15(ゴースト15)」のアッパーは優しく包み込んでくれる安心感があります。
また程よく抑えらえられた反発と12mmという高めのドロップによって、左右へ暴れることなく前へ前へと力を移動してくれます。
※ドロップとは?→かかとと前足部の厚みの差のこと。この差が大きいほど身体が前へ傾き体重移動しやすくなる。
よって「Ghost15(ゴースト15)」の安定性を評価するなら→
屈曲しやすいソールで無理のないガイド性
「Ghost15(ゴースト15)」のガイド性(走りのサポート)はあまり高いとは言えません。
理由として考えられるのは以下の3つ。
- 前足部が曲がりやすい
- 12mmドロップ
- 安定性と反発性のバランス
「Ghost15(ゴースト15)」のソールは前足部が屈曲しやすいです。そのため、シューズ自体が自動的に前へ前へ足を運んでくれるようなガイドの機能はあまりありません。
しかし、12mmの高いドロップとバランスの良い安定性と反発性から前へは進みやすいので、自らの走りでストライドを活かしガンガン進めます。
よって「Ghost15(ゴースト15)」のガイド性を評価するなら→
厚みのあるアウトソールラバーで耐久性◎だが注意点も…
「Ghost15(ゴースト15)」の耐久性について。
分厚めのアウトソールラバーが広く貼られていることから一見耐久性がかなり高く見えます。
実際、耐久性は高いのですが、「Ghost15(ゴースト15)」のアウトソールラバーは柔らかめといった特徴があります。
アウトソールの硬さを計測した結果、新品のスタッドレスタイヤと同じくらいの数値でした。他モデルと比べると、ミズノの「ウエーブライダー26」と同じぐらいで、ナイキの「エアズームペガサス39」やホカの「クリフトン8」の方が硬いです。
アウトソールラバーは、柔らかいとグリップ力(走る場所によりますが)が高くしっかり地面を蹴って走れるというメリットがある一方で、削れやすいというデメリットもあります。
そのため、他の硬めのアウトソールラバーを採用しているモデルと比べて、若干ではありますが削れやすいことを念頭に置いておく必要があるでしょう。
また、アッパーも柔らかくフィット感が非常に高いというメリットがある一方で、硬めのメッシュ素材などに比べると耐久性が劣りやすいです。
足の形やフォームのクセによっては、へたりやすい部分が出てくる可能性は高いでしょう。
よって、「Ghost15(ゴースト15)」の耐久性を評価するなら→
「Ghost15(ゴースト15)」のサイズ感
次は「Ghost15(ゴースト15)」のサイズ感について。
私の足型は下に添付した画像になります。あなたのサイズと比較してイメージしてみてください!
サイズ感 | 評価 | コメント |
---|---|---|
前足部 | 指が動く余裕あり | |
中足部 | 柔らかく伸び縮みする | |
かかと部 | 厚みがありピタッとフィットする | |
フィット感 | 全体的に心地良い | |
アッパー剛性 | 柔らかめなので摩擦にはそこまで強くない | |
サポート力 | 柔らかめな生地だがしっかりホールドしてくれている | |
通気性 | 厚みがあるので通気性はそこまで高くない |
「Ghost15(ゴースト15)」のサイズ感は比較的ゆったりめ。厚みのある柔らかいアッパーなので足の形に合わせてピタッっと心地よくフィットしてくれます。
ブルックスのランニングシューズは全体的にアッパーの履き心地がとても良いです。この安心感のある密着具合を1度は感じてみてほしいですね。
ワイドモデルはある?
「Ghost15(ゴースト15)」にはワイドモデルがあります。
通常サイズでも比較的ゆったりしていますが、普段幅広のサイズを履いている方や甲が高くて困っている方にはおすすめです。
「Ghost15(ゴースト15)」おすすめの使い方
ペース | (トレーニング) | ジョグ(トレーニング) | マラソン(トレーニング) | 閾値(トレーニング) | インターバル走(トレーニング) | レペティション(トレーニング) | ウィンドスプリント(レース) | フルマラソン(レース) | ハーフマラソン(レース) | 5~10km
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
目安継続時間 | 30~150分 | 40~110分 | 5~20分 | ~5分 | ~2分 | 10~20秒 | 124分~ | 60分~ | 13分~ |
VO2max | 59~74% | 75~84% | 83~88% | 95~100% | 105~120% | – | 59~120% | 59~120% | 59~120% |
完走 | |||||||||
サブ5.0 | |||||||||
サブ4.5 | |||||||||
サブ4.0 | |||||||||
サブ3.5 | |||||||||
サブ3.0 | |||||||||
サブ2.5 | |||||||||
中長距離 | |||||||||
短距離 |
おすすめの走り方
「Ghost15(ゴースト15)」はアウトソールが前面に貼られていることからかかと、中足部、前足部のどこで接地しても問題ありません。
履く人を選ばない比較的万能なモデルと言えるでしょう。
マラソンランナーの使い方
ジョギングやゆったりめのペース走におすすめ!
サブ4.0ぐらいまでならレースでも使うことができるポテンシャルがあります。
長くは難しいかもですが、競技レベルによっては1キロ3分30秒のペースでも走ることができるでしょう。
「Ghost15(ゴースト15)」はその性能の万能さから練習の中心になれるモデルです。
陸上中長距離選手の使い方
アップシューズとして大活躍するでしょう。アップ〜ペース走では足への負担を抑えつつ自分の走りを邪魔しません。
少し弾力がありつつ反発をもらいながら走りたい、柔らかい接地感が好きな選手におすすめです。
陸上短距離選手の使い方
アップシューズに使えます。ただし、ドリルなどで接地感をできるだけ高めたい選手にはソールが柔らかすぎるかもしれません。
メニューによって履き分けることができるのであればアップ、ダウンなどで使えるでしょう。
「Ghost15(ゴースト15)」の価格や最安値は?
「Ghost15(ゴースト15)」の定価は¥16,500です。発売直後ですが、楽天やAmazonでは10%オフクーポンや値引きも頻繁に行われているため定価より安く購入できる期間もあります。
楽天やAmazonのセールや還元ポイントアップの期間を狙うと公式サイトでの購入よりかなりお得に手に入るでしょう。
「Ghost15(ゴースト15)」の類似モデルと比較
ここからは性能面で「Ghost15(ゴースト15)」に類似しているモデルと比較していきます。
「MIZUNO WAVE RIDER 26(ミズノ ウエーブライダー26)」と比較
ゴースト15 | ウエーブライダー26 | |
---|---|---|
定価 | ¥16,500 | ¥14,850 |
ドロップ | 12mm | 12mm |
ソールの厚さ (かかと自測定) | 33mm | 36mm |
軽量性 (26.5cm) | 272g | 271g |
クッション性 | ||
反発性 | ||
安定性 | ||
ガイド性 | ||
耐久性 |
どちらも重さがほぼ同じでアップやジョグ、ペース走と幅広いシーンで活躍するモデル。性能的にも似ているためどちらを選べばいいか難しいですね。ですが、実際に走ってみると細かな違いが見えてきます。
「WAVE RIDER 26(ウエーブライダー26)」は前足に体重が乗ると、自然とカクンと転がるような動きになります。一方で、「Ghost15(ゴースト15)」は前に体重を乗せても最後まで足が残り自分で蹴り出すこと動きになります。
これにより「WAVE RIDER 26(ウエーブライダー26)」はピッチ、「Ghost15(ゴースト15)」はストライドの動きになる傾向を感じました。
また、接地感は「Ghost15(ゴースト15)」の方が弾力があり反発を感じ「WAVE RIDER 26(ウエーブライダー26)」の方が衝撃が吸収され反発を感じません。実際の計測データでも反発に関しては「Ghost15(ゴースト15)」の方が大きな数値が出ています。
一言でおすすめのランナーを分けるなら
こんな感じでしょうか。
「Ghost15(ゴースト15)」おすすめの履き分け
扱う方のレベルにもよりますが、「Ghost15(ゴースト15)」の使用シーンは主にジョグやペース走が多いでしょう。そのため、相性の良い履き分けを考えるのであれば、
- スピード練習用
- レース用
の2足があれば安心です。
同じブルックス内だと、スピード練習用には「ハイペリオンテンポ」、レース用には「ハイペリオンエリート3」、陸上競技者であればスパイクでもOK。といった感じでしょうか。
まとめ
今回はブルックスの最新作「Ghost15(ゴースト15)」を紹介しました。
ゴーストシリーズはブルックスの中でも認知度の高い人気のモデル。若干重ためですがそれを感じさせない汎用性の高い性能が詰まっています。
使うシーンは練習の基盤になるアップからジョグ、ペース走と幅広く、多くの時間を過ごすことになるでしょう。
※計測したデータは運営者のフォームや競技レベルに依存するため、人によっては記載の内容と大きく離れた感覚を得る場合があります。あらかじめご了承ください。
当サイトではランニングシューズを実際の計測データと実体験に基づいてレビューしています。他のシューズも紹介しているので他記事もぜひご参考ください。あなたに合ったシューズをご提案できれば幸いです!
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