- 陸上競技で中距離種目を専門に行なっている方
- 自分が短距離型か中距離型か長距離型かわからない方
- 400m〜1500mの相関性を知りたい方
- 自分に合った練習方法を知りたい方
中距離種目ではスピードと持久力の2つの要素が必要です。
この要素は各選手1人1人に得意不得意があるため、私は中距離選手は
- スピードレベルの高い短距離型
- スピード,持久力のバランスがとれた中距離型
- 持久力レベルの高い長距離型
これら3つのタイプに分けられると考えています。
実際800mのトップ選手の中には、400mやマイルリレーで活躍する短距離型の選手もいれば、マラソンまで走ってしまうような長距離型の選手もいます。
そのため中距離種目は様々なタイプの選手が集まる特殊な種目であり、「中距離選手のトレーニングはこれだ!」と容易に練習メニューを決めることができません。
ということで、今回は中距離選手が自分のタイプを簡単に知ることができる中距離種目相関表を作成してみました!
そしてこの表を元にしてそれぞれのタイプに合った練習方法を紹介してくのでぜひ参考にしてみてください!
中距離種目相関表
表1 中距離種目別相関表 | ||
400m | 800m | 1500m |
48.0 | 01:45.6 | 03:36.5 |
49.0 | 01:47.8 | 03:41.0 |
50.0 | 01:50.0 | 03:45.5 |
51.0 | 01:52.2 | 03:50.0 |
52.0 | 01:54.4 | 03:54.5 |
53.0 | 01:56.6 | 03:59.0 |
54.0 | 01:58.8 | 04:03.5 |
55.0 | 02:01.0 | 04:08.0 |
56.0 | 02:03.2 | 04:12.5 |
57.0 | 02:05.4 | 04:17.0 |
58.0 | 02:07.6 | 04:21.5 |
59.0 | 02:09.8 | 04:26.0 |
60.0 | 02:12.0 | 04:30.5 |
61.0 | 02:14.2 | 04:35.0 |
62.0 | 02:16.4 | 04:39.5 |
63.0 | 02:18.6 | 04:44.0 |
64.0 | 02:20.8 | 04:48.5 |
65.0 | 02:23.0 | 04:53.0 |
66.0 | 02:25.2 | 04:57.5 |
67.0 | 02:27.4 | 05:02.0 |
68.0 | 02:29.6 | 05:06.5 |
69.0 | 02:31.8 | 05:11.0 |
70.0 | 02:34.0 | 05:15.5 |
表1は中距離種目である400m,800m,1500mをタイムごとに並べた表です。
右から1列目が400mのタイムでで47.0秒〜70.0秒までを表記。2列目が800mのタイムで1分45秒〜2分34秒までを表記。3列目が1500mのタイムで3分36秒5〜5分15秒5までを表記しました。
表の見方としてはそれぞれの種目のベストタイムを列から探し線で結んだとき、その線が
- 右肩下がりなほど短距離型
- 横並びなほど中距離型
- 右肩上がりなほど長距離型
といった感じになり自分のタイプがわかります。
どのタイプかわからなかった方
もし先ほどの表で結んだ線が折れ曲がるなどのように1直線にならなかった場合は
- 本来の力を出せていない
- 飛び抜けた種目に特化したタイプ
- 他種目に力を入れていない
- 計測の期間にズレがある
などのことが考えられますね。
本来の力が出せていない例としては400mから800mにかけて下がり、800mから1500mにかけては上がっている場合が挙げられます。
この場合、持っているスピードと持久力から考えて現段階の800mのタイムより速くなる可能性が高いということになります。
また1つの種目にしか出場したことがなかったり、距離の走り方が不慣れだったり、計測の期間にズレがあった場合には線が直線になりにくいでしょう。
そんな時は400mと1500mを線で結びましょう。
- 右肩下がりなほど短距離型
- 横並びなほど中距離型
- 右肩上がりなほど長距離型
といった感じになり自分に近いタイプがわかります。
スピードレベルの高い短距離型
表で結んだ線が右肩下がりになったあなたはスピードレベルの高い短距離型タイプです!
普段からウォーミングアップでスプリントドリルを取り入れたり、練習メニューにウインドスプリントやスピードの速い練習を取り入れたりしている傾向があります。
このタイプの選手は持久力よりもスピード能力に優れているため、中距離選手としてレベルアップするにはまず持久力向上の練習メニューを取り入れることになるでしょう。
しかし、生粋のスピードタイプの選手はこれらのメニューを取り入れたとしても持久力が向上しない場合があります。
しばらく練習(目安は1シーズン)してみて右肩下がりの傾きが全く水平に近づかなかった場合は、生粋の短距離型と判断しスピード向上のメニューを中心に行なうなどのように対応する。
- 800m,1500mでの競技力向上を考えている場合
- 弱点強化に取り組む(持久力強化)
- 結果がでなければ強みをより強化する(スピード強化)
- 最初に持久力を強化したことにより持ち前のスピードを生かしやすくなる
- ロングスパートに負けやすい
スピード,持久力のバランスがとれた中距離型
表で結んだ線が水平になったあなたはスピード,持久力のバランスが取れた中距離型タイプです!
どちらの練習もバランス良くこなしていくことでより力の底上げができると考えられます。
柔軟に対応できるので長距離練習の多い部活ではウォーミングアップ時にスプリントドリルを加えてみたりプライオメトリクスなどの瞬発系トレーニングを取り入れたりすることでバランスが取れます。
逆にこのパターンは少ないと思いますが、短距離練習の多い部活ではペースが速めのジョグやペース走、長めのインターバルトレーニングを取り入れることで持久力向上が望めます。
短距離型の選手や長距離型の選手にはそれぞれの良さがありますが、最もどのパターンのレースでも対応できるのはこの中距離型の選手でしょう。
- スピードと持久力どちらのバランスも取れている
- どのレースにも柔軟に対応できる
持久力レベルの高い長距離型
表で結んだ線が右肩上がりになったあなたは持久力レベルの高い長距離型タイプです!
普段からジョグやペース走中心の練習を行なっている選手に多い傾向があります。
また中距離選手には長距離種目出身の選手が多いのでスプリント系種目の経験が少ない場合があります。
基本的なスプリントドリルから積極的に取り入れ瞬発的な力の出し方の感覚を得ることで最後の直線でラストスパート負けしづらくなるでしょう。
コツを掴むまでの時間は人それぞれなので根気強く改善していく必要があります。
- 400m,1500mで記録向上を考えている場合
- スプリントドリルやプライオメトリクストレーニングを練習メニューに取り入れる
- 瞬発的な力の出し方を身につける
- ラストスパートの直線勝負に負けやすい
まとめ
中距離種目にはスピードと持久力のどちらも要求されます。
そのため
- スピードを磨くための練習
- 持久力を磨くための練習
- バランスよくどちらも磨く練習
などのようにトレーニング内容も変わってきます。
選手ごとの強みや弱みに関しては1人ひとり違いますが、どのようなタイプかは大まかに知ることはできます。
自分が短距離型か中距離型か長距離型か表を参考にして知ることで練習メニューを組む第1歩になるでしょう。
最後までお読みいただきありがとうございました
それでは!
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